リラクゼーション法あれこれ

ご自分でできる簡単なリラクゼーション法をいくつかお示しします。

発作的な不安やパニックに対応する
パニック状態になっているときは交感神経が緊張しています。
交感神経の緊張には、ゆっくりとした腹式呼吸を1~3分続けるのが効果的です。鼻から息を吸い、口をすぼめて吸気の3倍くらい時間をかけて息を吐き出し、これを繰り返します。呼気の際、「リラーックス」と心の中でつぶやくとさらに安心できると思いますよ。どうぞ一度お試しください。


もう少し詳しく説明すると・・・
1)お腹に両手をあてる(背中がしっかりします)
2)こころで3つ数えながら鼻から息を吸う。おなかに息を入れるイメージで。
3)いったん息を止める。
4)口をすぼめて、吸気の3倍くらい時間をかけて息を吐き出す。慣れてきたら、息を吐くとき「リラーックス」と口に出して、またはこころのなかでつぶやく。


これを1~3分繰り返す。できればお腹の上の両手が温かくなるまで。


<ポイント>
★最初の一呼吸のときは息が吸いにくい、と感じることがあります。その時はまず息を吐いてから吸いましょう。


★自分ではなく、友人や家族が発作的に不安になったりパニックになったときは、その人の手を取って、目線を同じ高さにして、視線を合わせて、一緒に声を出して呼吸法をしてみましょう。あなたが呼吸法をしながらリラーックス、とつぶやくと、友達や家族も少しずつ一緒にリラックスできるようになります。


以上加茂登志子


普段の生活にもリラクゼーションを取り入れましょう。
自律神経系:心身のバランスを保つシステムで、一方が活動すると一方が休む拮抗関係


慢性的にストレスにさらされると・・・一方が過剰に働く or 必要な時に活動しない。
⇒リラクゼーション法を行うことで、『興奮状態』と『休息モード』の行き来がスムーズになります。


呼吸法:
楽な姿勢で座る・横になり、お腹の方が動くように息を吸う。鼻から吸って口から吐き、ゆっくりと吐きく呼吸する。
①3つ数えながら息を吸う
②3つ数えるあいだ息を止める    
③3つ数えながら息を吐く
①~③を一呼吸として、1回に4分程度行うと効果的


自律訓練法:
イツの精神医学者J. H. シュルツにより考案された。決められた公式を心の中でつぶやき、心身をリラックスさせる方法。

☆準備
aからだを締め付けているものはすべて取る。b静かな場所を選らび、明かりは薄暗く。c適度な温度にする。d決まった時間に行い、空腹で行う。e快適な姿勢で行う,f心配事は棚上げする(「今こんな事が心配なんだな。今はちょっと置いておこう」)g受動的で物事にとらわれない気持ちでいる

☆姿勢
    椅子やソファーに腰掛けた姿勢の場合:膝と足は肩幅程度に
    寝ころんだ姿勢の場合:肩幅程度に足を広げ、両手は身体の横に(手のひらは上下どちらでも可)
    口は指1本入るくらい開ける
    目を閉じる

☆自律訓練法の流れ 1セット15分~20分程度で、11回~3回程度行うと効果的。
背景公式:「気持ちが落ち着いている
①目を閉じて深呼吸する。②リラックスしてきたら、心の中で「気持ちが落ち着いている」というセリフを数回つぶやく
1公式:重感 「腕が重たい」※利き腕から開始、重感と温感はどちらから始めても構いません。
①注意を右腕全体に向けて、息を吐くと同時に息と一緒に力が抜けていくのをイメージし、心の中で数回「右腕が重たい」とつぶやく。②同じように左腕に注意を向けて、「左腕が、重た~い」。③両腕に注意を向けて、「両腕が、重た~い」。④慣れてきたら、右足・左足・両足も試してみましょう。
2公式:温感 「腕が温かい」
①腕の力が抜けてくると血流が増えるので、腕の温度が上がります。温度を確認するように、「右腕が、あったか~い」。「左腕が、あったか~い」。「両腕が、あったか~い」。④慣れてきたら、右足・左足・両足も試してみましょう。
消去動作手をグーパーグーパーして伸びをする。


女性生涯健康センター心理士 渡邊郁子