2011年5月27日金曜日

悲嘆反応について

 1か月半ぶりの書き込みになります。
 皆様いかがお過ごしでしょうか。
 
余震はまだ続いているものの、間隔は少しずつ遠のいています。しかしその一方で、原発事故はまだ収束の道が見えにくく、今になって知らされる重大な情報もあることから、放射能に対する不安はむしろ強まる方向にあるのかもしれません。
 ゴールデンウイークの期間中、東京女子医大精神科の活動に参加させていただいて、宮城県気仙沼市のこころのケアのお手伝いをしてきました。当時、桜の花が満開となった土手の下を流れる川にはまだ無数の自動車や倒壊家屋が沈んでおり、自然の美しさと恐ろしさを同時に見せつけられてきわめて圧倒される感情に襲われました。このような感情をきっと「脅威」というのですね。

 この震災では亡くなられた方だけでなく、行方不明のままの方も多数おられたことから、トラウマティック・ストレスの学域では悲嘆(グリーフ)がテーマとしてよく取り上げられるようになりました。
悲嘆とは大切な人を亡くしたあとのこころの反応であり、もちろんだれにでも起こるものです。ただ、6か月以上にわたって著しい反応が続き、その人の日常生活を脅かすほどになってしまった場合には複雑性悲嘆と呼ばれ、通常より重篤な反応としてとらえられます。「悲しむこと」を自分のなかに収めていくことのむつかしさを、複雑性悲嘆という現象は教えてくれています。

 日本人には、通夜、葬式に続いて初七日、四十九日、七十七日、百か日、一回忌と、死後の儀式を細かく定めてきた歴史がありますが、もしかしたらこの弔いの文化は災害国としての悲嘆反応への対応が結実したものなのかもしれませんね。「おくりびと」という映画がありましたが、それもこの文化の一端のような気がします。

2011年4月9日土曜日

子どもの疎開

皆様おはようございます。

昨日午後、NHKのつながるラジオに震災のこころのケア関連で出演してきました。
清水国明さんというと、私たちの世代では「あのねのね」というお笑いバンドの人、という印象が強かったのですが、今は河口湖自然楽校というNPO法人のリーダーをしておられ、このたびの震災でも積極的に被災地の子どもの受け入れをしているという話をお伺いしました。養育者の方たちは、復興への参加など様々な事情で地元を離れるわけにはいかないが子どもは少しでも安全で安心できる場所に移したいという気持ちで、子どもを清水さんのもとに託しておられるそうです。2歳から15歳くらいまでの子どもが、昨日の時点で37人疎開されているとお聞きしました。

「学童疎開」という言葉は多くの日本人にとってすでに戦争中の記録の中でしか見ることがなかったものですが、いま、一つの現実となっているのだということを実感しました。

災害時のこころのケアの第一歩は「安心、安全、安眠」のできる場所の確保なのですが、震災後1か月を過ぎてもまだそれが達成できていない地域のほうが多いのが今回の震災です。昨日の宮城県での余震は東京にいても恐ろしいものでした。被災地の方々の心労は如何ばかりだったでしょうか。

子どもを、養育者との関係を保ちつつ安全な場所に移すという活動、余震や放射能の不安の大きい被災地にとって大きな助けになるだろうと思いました。

加茂登志子

2011年4月6日水曜日

震災とペット

大津波から3週間、海に流された家屋の屋根に犬が発見されてニュースになりました。首輪をしていたので、きっと飼い主さんが見つかるだろうと信じていましたが、幸い飼い主さんがテレビのニュース画面に映った犬の姿を見ておられて、すぐに自分の犬だとわかったとか。飼い主さんと対面して、ちぎれんばかりに尾を振っていた犬がいじらしかったですね。
災害時にはペットの動物も苦難に遭ってしまいます。避難所にはペットは連れて行かれないものと思っていましたが、実際にはペットを連れての避難をされている方や、はぐれてしまった動物たちなど、被災動物の救護のため、様々な支援が行われていることを知りました。心強い!!

少ないとはいえペット可の避難所もあり、そのような避難所や仮設住宅を増やそうという署名活動も広がっています。女性生涯健康センターの職員も協力しました。
     
拙宅のネコはもともと恐がりですが、地震で相当恐い思いをしたらしく、以来ネコベッドで寝なくなってしまいました。多分そこに入っているときに大きく揺れたのでしょう。東京ですらそうなのですから、被災地の動物たちはどうでしょう。飼い主さんと一緒にいられるのが何よりですよね。
今、万一のときに自宅のペットをどのようにしたら良いか、など思案しています。家族同様のペットだけれど避難先で迷惑になってはいけないし、持って行くものとして、当面のペットフードなどはもちろん、ネコにも連絡先を記した、外れにくく、かつ安全な避難用首輪を用意しておいた方がよいのではないか?連れ出すときのキャリーは軽量でかさばらない方が、他に持ち出す避難用品への影響が少ないかも、・・などなど。備えあれば憂いなし、ですが、嫌がるネコをキャリーに入れる練習もしておいた方がいいかも知れませんね・・・・

檜垣祐子

2011年4月5日火曜日

震災の体験@東京

 震災から3週間が過ぎ、正常化する外来のなかでみなさんから震災の体験をいくつかお伺いすることができました。東京では震災遭遇時にその人がいた場所によってずいぶんと感じ方が違うようでした。

 原宿、表参道の路上で震災にあった方によれば、周囲のガラス張りのビルが大きく揺れて、騒然とし、車は片側に寄せて停車、ガラスが割れるのではないかと不安になった人々が中央分離帯を歩いて必死に移動していたそうです。その方はてっきり関東大震災がきたんだと思ったとのこと。また、30階以上の高層マンションにお住まいになっている方は、免震構造で大きく揺れて地震も確かに非常に恐ろしかったそうですが、その後停電したためエレベーターが止まって階下に降りることができず(一度降りたら最後、部屋に戻れないと思ったとのことです)、テレビもつかず事情がつかめないままだんだん日が暮れていくことでさらに不安が募ったとのことでした。一方で、自宅にいて、いつもより揺れたものの、大震災とまでは思わなかったと言う方も。

 みなさんがほぼ口をそろえておられたのは、「テレビを見ていて気持ちが悪くなった」ということでした。部屋に水が入ってくる夢を見たという方もおられました。小さなお子さんも一緒にテレビを見ていたところ、夜泣きやおもらしが始まったという方もおられました。3日くらいは見たが、その後はなるべく消していたという方が多くおられて、賢明な判断をされたと思いました。

 幸いなことに、ほとんどの方たちは、数日は不安や不調を感じ、地震酔いを感じたものの、早い方で1週間、遅い方でも2週間ほどでだんだん落ち着いてきたと言っておられました。軽い急性ストレス反応で終了した方がほとんどだったのでしょうね。
 しかし、これまで何らかのトラウマ体験があった方や、場所により激しい揺れを体験した方など、個別的にはまだ具合が戻らないという方も確かにおられます。不調を感じておられる方は来院時に遠慮なくお伝えください。

加茂登志子

4月5日、今日クリニックの前に咲いている桜です。きれいですね。
 

2011年4月4日月曜日

放射能はなぜ怖いのか

 原発の成り行きはまだ不透明なように見えます。時間もかかりそうです。
 なんとなくニュースへの登場は減って、落ち着いてきたの? そう見えるけれど、まだまだ不安。そう感じられているかたもおられるのではないでしょうか。
「ベクレル」や「シーベルト」など、これまではほとんど耳にしなかった専門的用語も少しは使い慣れてきましたが、広島・長崎の記憶のある私たちには、放射能や核などという言葉はやはり根深い不安を呼び起こします。

東海村原発事故のとき、こころのケアに携わった武蔵野大学の小西聖子先生が日本トラウマティックストレス学会の大震災支援対策サイトに寄稿しておられます。

「原発事故による避難者/被災者のメンタルヘルス支援について」

一段落したところで読んでごらんになると、自分のこころの動きを振り返ることができて、いいですよ。

加茂登志子

桜が咲き始めました

女性生涯健康センターのはす向かいにある膠原病リウマチ痛風センターの前の桜が咲き始めました。だいぶ温かくなりましたね。通勤途中の道にあるモクレンの木も満開になっています。

先週の外来では、5人に1人くらいの割合で一緒に腹式呼吸法をしました。皆さん緊張していて、とても肩が凝っておられるようで、中には筋肉痛がする、と言っておられた方も。呼吸法で少し体が緩んだところで、久しぶりにラジオ体操などしてみると良いかもしれません。

You Tubeは便利ですね。ちょっと検索したらすぐに発見できました。

加茂登志子

2011年3月30日水曜日

リラクゼーション法をまとめました。

おはようございます。
リラクゼーション法へのアクセスが多いため、見やすいように別のページにまとめました。
どうぞご利用ください。

加茂登志子

2011年3月27日日曜日

日本で起きた災害について子どもに話す

女性生涯健康センターでは、子どもと養育者の関係を改善し、子どもの行動面・精神面での症状を和らげる心理療法として、2008年から親子相互交流療法(Parent-Child Interaction Therapy: PCIT)と子どもと大人のきずなを深めるプログラム(CARE:Child-Adult Relationship Enhancement)を導入しています。
 このたびの震災では海外の友人からたくさんのお見舞いのメールをいただくとともに、こころのケアに関する様々な資料をいただきましたが、とりわけシンシナティ子ども病院National Center for School Crisis and Bereavement Robin Gurwitch博士からPCIT-internationalを通して有益な資料をたくさんいただきました。

今日はその中から、「日本で起きた震災について子どもに話す」という資料をご紹介します。
少なくとも1週間はテレビの前に親子で釘づけだったというご家庭も多かったではないでしょうか。子どもとどのように震災について話したらいいか、テレビはどうみせるのか、などがわかりやすく記されています。
目次を紹介します。
 ●まず会話を始めてください
 ●子どもはすでにどんなことを知っているのでしょうか
 ●間違った情報は優しくただしてください
 ●わからないことがあれば質問していいと子どもたちに促してあげて、尋ねられたことには直接答    えてあげてください
 ●メディアに触れる時間を制限しましょう
 ●困っている人の支援をする
 ●良いお手本になってください
 ●辛抱強くいてください

詳しくはこちらをご覧ください。 「日本で起きた震災について子どもに話す」

2011年3月26日土曜日

本日の婦人科外来は代理診療になります

皆さんおはようございます。
都内の環境放射線濃度は幸い少しずつ下がってきているようですね。

本日、婦人科外来は代理診療になります。その他の科は通常通り診療いたします。

加茂登志子

2011年3月25日金曜日

簡単なリラクゼーション法お教えします

ジャーマン・カモミール
 今回の震災は、地震や津波だけでなく、原発や放射能汚染も加わる複合災害になってしまいました。そして、電力不足の問題。さまざまな局面で長期的な対応が必要です。ここはぜひ、節電などとともに、からだとこころの健康も一緒に考えていきましょう。

 今日の外来でも「先が見えない」不安を訴えられる方がずいぶんいらっしゃいました。長期的なストレスは自律神経のバランスに影響を与えます。呼吸法や自律訓練法など、自宅で簡単にできるリラクゼーション法を、当クリニックの渡邊郁子心理士がまとめてくれました。以前当ブログに掲載した交感神経緊張時の腹式呼吸法と若干違いがありますが、効果は同様です。どうぞお試しください。




加茂登志子

水道水汚染と妊娠・授乳

日本産科婦人科学会が3月24日付で「水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内」を出しました。
一番大事なポイントだけ原文のまま貼り付けてみますね。今のところ大丈夫だけど気を付けていきましょう、という内容です。

4. これらを総合すると、現時点では妊娠中・授乳中女性が軽度汚染水道水を連日飲んでも、母体ならびに赤ちゃん(胎児)に健康被害は起こらないと推定されます。また、授乳を持続しても乳幼児に健康被害は起こらないと推定されます。
5. しかし、胎児・乳幼児は成人に比べ被曝の影響を受けやすいとされており、被曝は少ないほど安心です。したがって、軽度汚染水道水以外の飲み水を利用できる場合には、それらを飲用することをお勧めします。
6. 妊娠中女性は脱水(体の中の水分が不足すること)には特に注意する必要があります。したがって、のどがかわいた場合は決してがまんせず、水分を取る必要があります。のどがかわいた場合には、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、ジュース、牛乳などがお勧めです。
7. 今後も水道水の放射性物質汚染(ベクレル値)には注意して下さい(後略)


本文には被ばく量の目安となる計算式も出ています。気になる人は試してみてください。

加茂登志子

2011年3月24日木曜日

東京都が乳児の水道水使用制限を解除しました。

 
まずはよかったですね。今後も動向を見守りたいです。
 
加茂登志子

水道水で洗顔してもいいの?

水道水で洗顔してもいいの?という質問がありましたので、お答えします。
.....................................................................


水道水の汚染で、どこまで大丈夫なのか心配の方もおありと思います。

 今回の東京都でのレベルは乳幼児でも入浴などの問題はまったくないとのことですので、洗顔も同様に考えていいと思います。口から水が入っても、その程度の量は問題にならないということですね。
乳幼児以外は洗顔、入浴もいつもどおりでよい、ということになります。歯磨きも同様でしょう。

 ところで放射線とは関係ありませんが、スキンケアの観点からは洗顔のしすぎで、肌の調子を悪くしている方が多いので、洗顔のしすぎには注意しましょう。洗顔料や石鹸を使用するのは11回程度にして、後は素洗い(水かぬるま湯)、すすぎは10回以内にしましょう。洗顔後に鏡を見て、顔が赤くなっているようだと、洗いすぎの可能性がありますよ。

檜垣祐子

サバイバーズ・ギルト

 サバイバーズ・ギルト(survivor's guilt: 生存者の罪責感)という言葉があります。災害に遭遇し、助かった人たちが感じる罪責感を言います。昨日の外来では、このサバイバーズ・ギルトを訴える方たちが大勢おられました。「助かったのが申し訳ない気がする」「おいしいものを食べてはいけないと思う」など口々に語られ、また、先々の旅行も自粛したとおっしゃる方もおいででした。
 東京も被災しましたし、同じ人間として、あるいは同じ日本に住む者としてこのような気持ちになるのは当然ですが、一方で先週1週間、ずっとテレビの前にいたと言っておられる方も多く、映像を見ての「トラウマ化」の影響もあるのではないかと気になりました。

 皆さん異口同音におっしゃるのは、映像はもう見たくないけれど、何が起こるかわからないからテレビから目が離せない、早い情報がほしいとのこと。 昨日はそういった方たちに、携帯電話のニュースサイトでの号外速報設定をお勧めしました。若干料金がかかるものもありますが、重宝します。
また、久しぶりにラジオを活用するのもいいかもしれませんね。
NHKラジオで被災地にアンパンマンの主題歌を流したら大きな反響があったと聞きました。
 たまには携帯・ラジオをオンに、映像をオフに。

 

今日の外来

皆様おはようございます。
本日も通常通りの外来です。昨日は東京都での水道水の放射能汚染のニュースが出て緊張しました。乳児ばかりでなく、お子さんを持たれている家庭は特にご心配なことと思います。
これからも速報が出たらできる限りブログで公開します。

放射線値は風や雨に大きく影響を受けるようです。今日の天気は上々ですね。ほっとします。
これも北海道で撮影したものです。

2011年3月23日水曜日

東京都の発表「乳幼児に水道水を飲ませないように」

時事通信ニュースの号外速報です。

14:24
「東京都水道局は、金町浄水場の水道水から乳児向けの飲用基準を上回る放射性ヨウ素が検出されたと発表した。23区と武蔵野、町田、多摩、稲城の各市で乳児に水道水を飲ませないように要請した。」
14:36
「東京都は、乳児向けの飲用基準を超えた水道水を数回にわたって飲んでも健康には全く影響がない、と発表。対象地域には三鷹市も含まれる。」

2011年3月22日火曜日

3月23日の外来

通常通りの外来です。夕方から雨が上がりましたね。

この時期、不安が出てくることがあります

 余震や原発など不確定要素も多い中、今日は一日通常通りの外来を終えることができました。診療が終わって外に出ると、マスクをして傘をさし、足早に駅に向かう人を何人も見ました。
みな、まだ不安を抱えつつおそるおそる日常に戻っているのですね。

大きなストレスがかかると、多くの人はアドレナリンというホルモンが出て、緊張の強い臨戦態勢になります。その急性のストレス状態が過ぎ去り、少しずつ日常が戻り始めると、逆に不安が強まることがあります。パニック障害などがある方は、パニック発作が起こりやすくなったりしますし、普段、それほど不安を感じない方たちも思わぬところで動悸を感じたりや寝汗をかいたりします。過緊張の状態から通常の状態に戻るときの揺れ戻しのようなもので、これも、ふつうの反応と考えていいものです。通常は時間とともに徐々におさまってくるはずです。

深呼吸をしたり、家族の誰かと肩たたきをしあったりすると体の緊張がほぐれやすくなります。
試してみてくださいね。

2011年3月21日月曜日

3月22日の外来

明日の外来は通常通りの予定です。
ご来院に当たっては、余震や停電などの情報に十分に気をつけて下さい。
2年前に北海道で撮影したエーデルワイスです。

「都内の放射線測定結果」をリンクしました

 東京都健康安全研究センターの「都内の放射線測定結果」をリンクしました。水道水や雨のデータが細かく出ています。千葉や埼玉、神奈川のデータで確実なリソースがあるようでしたらまたリンクいたします。
 今日は福島、茨城、栃木、群馬の各県でとれたホウレンソウとカキナ、福島県で産出された原乳が、規制値を超える放射性物質が検出されたとして出荷止めになりました。当地の農家の方々の落胆は如何ばかりでしょうか。
 
 スーパーに買い物に行ったらお米と水はほぼ売り切れでしたが、福島県22年産のコシヒカリだけいくつか売れ残っていましたので、20㎏ほど買い求めました。ほかにも乾燥スープの素など、東北地方で製造されたものもいくつか仕入れました。災害の後、最も恐ろしいのは風評被害だと聞きます。備蓄をするにも少しでも役立てば、と思います。

2011年3月20日日曜日

災害時の受診について

 女性生涯健康センタークリニックは原則的に予約診療です。
 今回のように、急な災害に見舞われた場合、ご予約の方々は予約通り受診すべきかどうか大変に迷われることと思います。無理に受診して被災されたり、交通手段がなくなってしまっては、大変申し訳ないことになります。災害が起き、予約診療に行くかどうか迷うときは、ぜひ次の手順を踏んでください。

1)テレビやラジオなどで、現在起こっている災害の状態をチェックする。地震であれば、余震の危険、台風であれば今後の進路など。

2)電車やバスが順調に動いているか、あるいは、今後ストップする危険はないか、確認する。

3)もし、災害の状態や交通手段でなんらかの危険があり受診に迷う場合は原則的に受診を延期してください。このような場合、予約キャンセルの電話がかかりにくくなっていることがあります。1~2度かけてもつながらない場合は、無理をしてかけ続けず、状況が落ち着いてから再度連絡を取って下さい。

★もし女性生涯健康センターが遠く、しかも、手元に処方薬がない場合には、お薬手帳を持って、自宅近くの診療所や病院などの医療施設に処方をお願いする方法があります。今回のような緊急時には、ほとんどの病院が処方箋を出してくれるはずです。災害に備える意味でも、お薬手帳は必ず持つようにしましょう。

★ご自宅の近所に適当な医療施設がない場合は、お手数ですが、当クリニックまでご連絡ください。

2011年3月19日土曜日

ヨードを含む薬剤の摂取に気をつけて‼

  民放で、普段通りの番組が戻りつつあります。日常に戻りたい欲求と、被災者や救援に当たっておられる方を忘れたくない気持ちがせめぎ合いながらも、今日は少し足が地についた感じになってきました。本日、女子医大医学部の1週間遅れの卒業式が挙行され、医師免許獲得ほやほやの生まれたての女性医師が巣立っていきました。今回の震災の体験をみな心に強く刻みこんでいるようでした。

 余震は随分少なくなり、原発の報道も少なくなってきました。気になる放射線量ですが、東京周辺の健康被害の可能性は今のところほとんどなさそうですね。

ヨードを含む薬剤の摂取に気をつけて!! 
 放射線被害の予防にヨードを含むイソジン液やうがい薬のイソジンガーグルを飲んでいる人がでてきているようですが、要注意!ヨードの取りすぎは甲状腺の機能低下をまねきます。これらの薬を自己判断で飲む前に、必ず医師に相談して下さい。女性生涯健康センタークリニック通院中のかたのほとんどはヨード剤の服用はいらない地域にお住まいです。

2011年3月18日金曜日

3月18日 16:50PM

今日は比較的余震も少なく、穏やかに過ごせたように思います。

明日19日は女子医大全体の休診日ですので、3日間連続の休診日となります。
明けて22日は通常通りの外来にもどして行きたいと思っております。停電の様子を見ながらまた情報発信いたします。
皆様の週末が穏やかなものでありますように。

3月18日:本日の外来 9:30AM現在

 皆様おはようございます。今日は大変よいお天気になりました。
昨日の冷え込みで電気の消費が一時間に合わなくなるかと心配しましたが、なんとか停電は回避できたようでよかったですね。

 女性生涯健康センターは本日もオープンしておりますが、予約診療の方には、緊急対応の必要がない限りにおいて、予約の延期をお願いしております。電力供給が不安定な状態が続いておりますので、特に遠方からご来院を考えておられる方は電車などの状況をよくみて慎重に判断してください。

判断に迷うときには、当センターにお電話ください。

2011年3月17日木曜日

災害時急性期のストレス反応と明日の外来

 茨城や栃木、千葉から当クリニックを利用してくださっている方もおられます。それだけでなく、東京都やその周辺地区も、東北地方に比べ規模は小さいながら被災しました。このことから、今回は利用者のみなさんも職員も、みな被災者であると考えて対応しています。
 

 被災した時の私たちの反応は、いくつかの段階に分かれます。最初はアドレナリンという交感神経系のホルモンが猛烈な勢いで分泌する過剰緊張状態。脈拍数が多くなり、血圧も上がって、頭の回転も速くなりますし、ちょっとハイな状態になる人も。男性によく見られる反応パターンです。しかし時間がたって少し状況が安定してくるとその揺れ戻しが起こり、めまいや頭痛、動機など自律神経失調状態がしばしば起きてきます。また、少し安全が戻ってきているのに逆に不安感が出てくるといった、アンバランスな現象を体験している方もおられるでしょう。

 週末に向かって安全が戻ることを願ってやみませんが、これによって逆に不調を強く感じる方がおられるかもしれません。病気が悪くなったのでは、と心配される方もおられると思いますが、これらは危機状況での人間のごく普通の反応ですので、ご安心ください。

明日の外来
このまま状況が回復すれば、明日から診療も少しずつ正常化してくると思われます。

 土曜日から月曜日まで3連休になりますが、すでにお加減の悪さを感じておられる方がいれば、どうぞ明日ご受診ください。
 ただ、電力供給がまだ不安定ですし、余震の危険も完全に去ったわけではありません。
 判断に迷う方は電話してください。




朝出勤時に見かけました。
春が来ているのを感じて少し勇気が出ました。

檜垣祐子副所長からのメッセージ

女性生涯健康センターご利用者の皆様へ

311日の大震災にあわれ被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。
被災されながらも力をあわせ、復興に向け尽力されている様子に本当に頭が下がります。
また、余震の続く中、物資輸送のための道路が確保されはじめ、次々に起こる原発のトラブルにも、あらゆる手段を講じて関係の方々が粘り強く奮闘しておられる様子に感動を覚えます。
クリニックでは大震災及びその後の節電のための交通機関の運休などに伴い、診療のご予約をいただきながら受診できなかった患者様、予約の変更をお願いした患者様にはご不便をおかけいたしました。今後、皮膚科などの診療は通常通りの診療体制で行いますのでご安心ください。
時々感じる余震、計画停電など、生活に多少の不安、不自由はありますが、あまり動揺することなく、冷静に対応していきたいと思います。

女性生涯健康センター
副所長 皮膚科
檜垣祐子

2011年3月16日水曜日

簡単な腹式呼吸で「リラーックス」

福島原発の先行きはまだなにか不透明な感じがありますね。昨夜は富士宮でも地震があり、日常に戻るにはまだ少し時間がかかりそうです。引き続き一部の方々には予約の延期をお願いしていますが、ほとんどの方にご理解・ご協力いただけており、感謝申し上げております。本日予約の延期をお願いした方々には、週明けに再度予約のとりなおしをいたしますので、少々お待ちください。

簡単な腹式呼吸で「リラーックス」
 このたびの大震災で緊張し、日々肩こりや頭痛を感じておられる方も多いのではないでしょうか。
交感神経の緊張には、ゆっくりとした腹式呼吸を1~3分続けるのが効果的です。鼻から息を吸い、口をすぼめて吸気の3倍くらい時間をかけて息を吐き出し、これを繰り返します。呼気の際、「リラーックス」と心の中でつぶやくとさらに安心できると思いますよ。どうぞ一度お試しください。

2011年3月15日火曜日

平成23年3月15日

大震災から早くも4日が経ちましたが、皆様まだまだ不安な日々を過ごしておいでではないかと思われます。外来はオープンしておりますが、まだ完全に日常を取り戻したわけではありません。突発的な出来事に備えて、短めの診療をお願いしておりますのでどうぞご了承ください。

女性生涯健康センターをご利用いただいている皆様へ

 まずは3月11日に発生した東北関東大震災における被災者の方々、また、救援活動にあたっている方々に心からお見舞い申し上げます。
 震災初日は自宅に戻れない利用者の方々と職員10名ほどが当クリニックで一夜を過ごしました。その後も依然余震が続き、福島第一原子力発電所のトラブル、輪番停電と様々な問題が続いています。
 当クリニックは被災後も引き続き外来をオープンしておりますが、ここ数日は余震による被害や公共交通機関の突然の停止などの危険を考え、多くの患者さんに短い診療でお帰りいただくこととなり、大変申し訳ございませんでした。
今週の半ばから診療も少しずつ正常化してくると予想されますが、依然突発的な出来事でご不便をおかけする可能性は残っております。また、予約のキャンセルや変更などが相次いでいるため、電話がつながりにくくなっている状況もございます。
 そのため、急きょブログを立ち上げ、女性生涯健康センタークリニックの診療状況をお知らせすることにいたしました。
 逐次状況をお伝えしていきますので、どうぞご参考になさってくださいませ。
なお、大変恐縮でございますが、ブログを介してのご質問やご依頼にはお答えすることができませんのでどうぞご了承ください。

東京女子医科大学附属女性生涯健康センター
所長 加茂登志子